2016年11月11日

仏さんに惚れ込んで。。。27 関市円空館 善財童子

 関市は、円空が生まれた(と言われているが、羽島市も生誕の地と言っている、どっちが本当かは知らない)土地で、多くの円空仏があると言われている。結構個人蔵の円空仏も多いらしく、すべての把握は難しいとも言われている。
 そんな中で、いくつかの記念館、博物館などに寄託されて、管理されているもの多い。そんな寄託先の一つに、関市円空館がある。この円空館は、関市の外郭団体が管理しているが、実質関市の管理だろうと思う。

 この円空館には、一部木喰さんの仏像も収納されているが、数は円空さんにはかなわない。その円空仏の中に、善財童子として存在する一説に円空時刻像と言われているものがある。
 まぁ見た目、じいさんが祈っているって感じがする像である。顔もなんだかしかめっ面して深刻な祈りだなぁなんて思ったりもするが、この像を見た時にはショックはなかったものの円空仏の祈りに姿勢の原点かな?なんて思ったものだ。
 左の写真は、関市円空館蔵の本物で、ネットから拝借

 今年に入って、何を彫ろうかと悩んでいる時に、ごきんの庭木の剪定のさいに出たけやきの太い枝があったのを思い出した。それで何かと思った時に、節で折れ曲がった枝が円空館の善財童子”にぴったりかと思い彫り始めた。彫り始めたのはいいが、もともと硬い木の上に数年乾燥させていたのでとにかく硬くて硬くてかなりしんどい思いをして彫った。
 しかし、硬いだけに思いっきりのみを叩くので、ちょっとだけ円空さんのあらあらしいさをけいけんできたかなぁ。。。なんて思ったりもした。
 右の写真は、私が彫った善財童子の模刻像です


 祈る」ということは、今の私には抵抗感のない所作。癌宣告されてからというもの、命の尊さを実感したことで、自分の命だけではなく、周りの家族、友人、諸々関係のある人々の健康を祈らずにはいられないのだ。
 と言って宗教心が芽生えた?ということとは違うようだが、もうかなり前から馴染んでしまった阿弥陀さんの悟りの経緯などの話をなんとなく心の中で支えとしているのかな?なんて思うこともあるから、宗教心が芽生えたのかなぁ?でも、浄土宗やら、浄土真宗でいう他力の話は、完全には思い込んでいないし、自分で何かを切り開くという思いもあるから、浄土教を信じているわけでもないのだろう。
 そんな気持ちもあるが、とにか開く何かを祈る、誰に、何に向かって祈るのかなんて考えもしないが、木彫りをするようになってから、特に円空さんの祈りの姿のものを見てからは、よく祈る姿を掘るようになったことは間違いない。その祈る姿の円空仏の一つが、この善財童子である。

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