2008年06月10日

鮎の串焼きと祖母の思い出

 今夜の夕食のおかずは、鮎の塩焼き、それも串刺しの、珍しい。

 鮎を食べながら、岐阜の山奥と、祖母を思い出していた。
 昔々、岐阜県の山の中に生活する祖父母のもとへ、毎年夏休みにいっていた。小学校の3年まで。もう55年位前になるんだ。この当時、この村には「漁業組合」があった。海の漁協はなんとなくにおうが、山の漁協はにおわない。
 夜になると明かりをつけて鮎釣りをする。その明かりはカーバイトだった。あの独特のにおいするやつだ。といってももう知る人が少なくなったかもしれない。この明かりをぶら下げ、鮎を入れる金属製の箱、気の箱(これに水が入っている)をもって大人たちが鮎を獲りにいっていた。
 この土地は、岐阜県の名水だったか、何かに最近選ばれたところ。
 (そういえば、源氏ボタルでも有名だったが)

 中学校、高校のとき時折訪れた。そして、大学のときにもいっている。
 大きくなってから行くと、ご近所の人が「よおきたなぁ」と鮎を持ってきてくれた。大きな鮎を数匹。食べきれるものではない。もう、毎晩のように鮎を食べさせてもらったもの。
 鮎は大好きな魚。においに弱い私のとって、鮎はにおいがない(うそ、生臭くない独特のにおいがある)から好きになったのかもしれないが、あの白身の淡白な味が好きである。
 いただいた鮎は、そぼが塩焼きにしてくれる。h時と伴に20センチもある鮎を2匹も、なんてことも。しかし、私は好きな鮎にも嫌いなところがある。好きな人にはたまらないという『ハラワタ』だ。あの苦さは私は今もって逃げたくなる。その「ハラワタ」は祖母が食べていた。私が食べ残すとそれをきれいに処理をしていた。最後に残ったのは、頭ときれいな骨だけである。

 今日の串焼きを食べながら、その苦いはらわたに引っかかった。苦手ではあるものの、少しは焼いたものは食べられるようになったので、目に涙し祖母を思い出しながらその苦いところを少し口にした。
 遠い遠い苦い思い出が頭の中に・・・・・

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