2009年08月15日

終戦記念日に思う

 今日は8月15日 正午になると一斉に黙祷をする日

 64年前の8月15日 暑い日だったと聞く。
 母の話では、通称玉音放送と言われる天皇さんの戦争終結宣言、終戦とは体のいい本当に日本的な言葉、正確な言葉で言うなら敗戦宣言を聞いたときは、「正直ほっとした、これで終わったと」思ったとのこと。本当の苦しみがこれからやってくると言うことを母はまだ知らなかったからなのだが。

 私は2歳だった。その日は、どこでどうしていたのかの記憶はない。しかし、その前、多分5月17日か6月9日の空襲のことではないかと思うが、2歳にもならない私は、防空頭巾を要求して自ら防空壕に入った記憶が残っている。あれは明るい時間帯だったはず。遠くで消防のサイレンか何かの音が。

 名古屋の空襲は、軍需工場が多かったこともあって、東京よりもすごかったという話がある。それでも何とか生き延びたのは、たまたま運が良かったということなのだろうが。
 しかし、実際には運が良かったわけではなく、肉親をこの戦争で失っている。

 この肉親を失ったことが、私の人生を大きく曲げたということなのだろう。しかし、それも人生なのかもしれない。

 戦争というものは、人の命が失われる、確実に失われる。人を殺さねば、自分が殺されるとばかりに、人を殺すための道具を使って、敵と称される人間を殺す。
 その敵と称される人間が、本当にこちらの人間を殺そうと思っているかどうかは関係なく。殺すと思いこまされるように、敵と称される人を憎みように教育されてきている。

 しかし、何のために戦争をするのか理解に苦しんでいる。生まれて66年を過ぎても、戦争をして殺しあう意味がいまだに理解できないのである。子供のころから弱い割にはよく喧嘩をしたらしい、公園で同級生と決闘をしたこともあるくらいだが、相手を殺すなんて考えないよ。勝った、負けただけだろう。

 いまでも、隣国が攻めてくるから軍隊がいる。何のために攻めてくるのだ?日本人を奴隷にするために攻めてくるのか?太平洋戦争(第2次世界大戦)の末期に、ソ連が一方的に攻め込まれたことがトラウマになっているのか?それとも、大戦開戦の前夜に日本が奇襲攻撃をかけたことを他の国がするということなのだろうか?
 まるで、宗教で言う「原罪」と同じ発想だ。昔の親類縁者がなした悪、罪を、まったくそのこととは関係ない私たちにも責任があると説くようなものだ。

 江戸時代。仇討は武士の務めであったらしい。親が殺されたら、その仇討ちをする。その仇討ちを相手がする、これを延々と繰り返すことになって、怨恨をいつまでも残す。
 こんなのはどっちかが、どこかで断ち切らない限り終わらないだろう。世界観、価値観の違う人間は相いれることはないだろうが、人の命というこの世で一番重いことを考えれば、どこかで、誰かが我慢をしなければならないのだが。

 戦争なんて言うのは、いろいろ見、聞く限り馬鹿を見るのは庶民である。戦争に送り出す後ろに人間は命を落とすことは少ない。最前線に出て、見知らぬ相手を殺し、そしてその仲間から殺されるという、その戦争の原因から遠い存在であるはずの庶民が死ぬのである。
 攻め込まれて、空襲を受ければ、戦争をしていない非戦闘員がこれまた巻き込まれて死ぬのである。戦争を仕掛けたやつらは、死なない施設の中で生き延びる。

 戦争をしたいと思う人間たちは、そういった人間だけで集まって、そこで死闘をすればいいのだ。そして、そこで全員が死ねばいいのだ。そうすれば、そのあとはもう殺し合いもないだろう。殺し合いなど望まない人間をその場に送り込まないでほしいのだ。
 
 戦争で家族を殺され、分断された一人の、ほんの少しだけ戦争の記憶を持つ男のたわごとにすぎないかもしれないけど、なくした者のつらさを背負って生きていることを誰かに知ってもらいたい。


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この記事へのコメント
日本は隣国に恵まれない国ですからね。
戦争が終わってずいぶんたつのに母国に帰らず反日運動している国の人は強制送還してほしいです。
Posted by みりん at 2009年08月15日 10:09
すべてが反日感情持っているわけではないけどね。
私たちに原罪があるという人が多いなぁ。
無効ん変えればもっと大変になることもあるだろうに。ね
Posted by 生田生田 at 2009年08月15日 11:06
 

  
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