2015年08月25日

久々の郡上 05 円空ふるさと館 善女龍王

 美並ふるさと館の”円空ふるさと館”の中を回っている。展示室は大きく二つに分かれているが、左回りで見ていくと円空さんの作品が年代順に並べられている。
 この美並にはかなりの数の円空仏があって、その中の90数体が展示されていると書かれているけど、多くが本当に小さいもので、大きなものは少ない。展示されていないものの中に大きいものでもあるのかなぁ?と思ったものだ。

 たくさん見たけど、やっぱり私が模刻した”善女龍王”の本物しかほとんど記憶に残ってないなぁ。順を追って見ていって、やっと念願の本物前にやってきました。

 へぇ〜〜〜こんなにでっかいんだぁ。私の模刻箱の本物の半分くらいの像高かなぁ。私の作品の中ではまぁ大きい部類だけど、それよりもうんと大きい。材料があれば同じ大きさで彫ってみたい。(ごめんなさい、写真は私の模刻作品です)
 写真ではわからなかったことがいっぱい。円空さんの作品は丸太のは何割や三ツ割を使っているので、結構厚みのないものが多いが、この”善女龍王”は予想外の厚みがあった。といっても左右の中ほどに厚みがあるのだ。これは写真ではわからないよなぁ。。できたら上からも見てみたい。。。。
 この像は、善女我流を首から上に巻いている姿なのだが、その龍の顔を見て『えっ。。目が尖っている。。。』。唖然である。やはり本物を見ないとわからないことがいっぱいある。写真を見ての模刻に満足していてはいけないなぁと反省しきりだ。

 この”善女龍王”を彫る気になったのは、展示会用の作品を彫る段になって、いくルカの円空さんの作品の掲載されている書籍を眺めていて、この”善女龍王”の顔の微笑みに惹かれたからだ。
 微笑みの仏師として石られる円空さんだが、この作品の顔の微笑みはなんとも丸く他の荒削りの中の微笑みとは違うように思ったからだが。。。。。結局のこの”善女龍王”の模刻は3体彫った。最初は小さいものだったが、どうにも大きくしたくなって、たまたま頂いた材料がバランス的に彫れそうだったこともあって、最終的に展示会に出すものを彫り上げた。それが写真のもの。100%満足いくものではないけど、これまでの模刻の中ではできのいい方かなぁと思っている。
 でもなぁ、本物を見たらもっといいものを彫ってみたくなった。

 そんな思いで展示室を後にしました。そして入り口のホールに戻り、隣の展示室”生活資料館”に行った。
 山の中の生活資料館。どこでも見受けられるものが並んでいる。子供の頃、山を一ついや幾つか越えて東に行った和良で毎年過ごした私には驚くものはなかったが、一つだけ、筏の組み方があったのには、和良での記憶長いだけに”ホォ〜”だった。

 最後に受付で”美並村と円空”という本を求めて、ふるさと館を後にした。そして車に戻り、ミンミンゼミの鳴く山間の道を”日本真ん中センター”に向かった。

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