2016年10月13日

仏さんに惚れ込んで。。。13 蟹満寺 釈迦如来坐像

 蟹満寺 どのくらいの人が訪れるのだろう?この山城町も京都なのだ。奈良の大仏殿の横を北上して奈良坂を超え木津川を渡ってしばらく国道24号線を北に行くと右手に「蟹満寺」の案内看板に出会う。そこから川ぞいに東に行くと大きな看板があって、そこが駐車場らしいが、多分観光バス用ではないかと思う。ここで止めたら、あと結構歩きますよ。乗用車なら無視してさらに東に進みます。が、細い道になるのでご注意を。別な道から行ったほうがいいかも。。。。
  と、まぁ表通りにはないので、ナビがないと結構面倒です。ナビに「蟹満寺」とセットしてお出かけください。寺のすぐ横に駐車場があります。

 蟹満寺は、ミステリファンならご存知かも、山村美紗の「鳥獣の寺」に「蟹寺」として登場する。多分、書かれた当時の様子とは今の蟹満寺は異なったものになっていると思う。
 私は、この寺を2度訪れているが、最初はこれもまた大学の古美術研究旅行で行ったのだ。もう50年も前なんだよなぁ。そして、そこで印象に残ったのが、国宝の「釈迦如来坐像」だ。なんで印象に残ったのかというと、この仏像はととにかく真っ黒なのだ。ここまで真っ黒で綺麗なのは、薬師寺の薬師三尊くらいかと思うほどの真っ黒なのだ。この蟹満寺の釈迦如来も、薬師寺の薬師三尊もいずれも銅製なので金箔が落ちると酸化して真っ黒になるんだろうと思う。

 この釈迦如来は、顔の表情がちょいと怖いんですね。何を怒っておられるのか、いわゆる仏頂面というか、口を”への字”の世に結んでいるから。なので、どちらかといえば、敬遠するタイプの仏像だけど、なぜか古美研で見たときの印象からもう一度行ってみようなんて思わされて、娘、家内を伴って見にいったのだ。
 仏像そのものに再会して、再会の望みは叶えたけど、なんだか印象が大幅に変わってしまった。理由は本堂自体が昔とまるっきり違っているし、周囲の環境が他の寺になってしまっているからなのだ。
 昔の本堂の印象ははっきりとは残っていないが、古びた建物だったように思う。それが2回目に行ったときは建て替えたばかりのようにキンキラキンで、仏像との対比で淡中唸ってしまっていたから、仏像自体の印象も変わってしまったのだと思う。

 京都のある国宝を持つお寺では、屋根の檜皮葺の取り換えに資金にもお困りのようなのだが、この寺はこんなにも、そう行ったときはまだ周囲の改築中だったくらいに資金が豊富におありなんでしょうねぇ・・・なんでこんなに違うの??

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