2016年10月18日

仏さんに惚れ込んで。。。17 高徳院・阿弥陀如来(鎌倉大仏)

 シリーズのこれまでは、名古屋以西、多くが奈良、京都の仏像を書いてきた。まぁ当然と言えば当然で、訪れる機会の多いところだから、それに国宝を言われる仏像が目白押しなんで、書く機会も多くなる。
 
 今回は、ちょいと東に目を向けて、鎌倉。鎌倉といえば言わずと知れた鎌倉の大仏さんである。
 鎌倉の大仏さんは、阿弥陀如来なのだ。奈良の東大の大仏さんが盧舎那仏だったのだが、これか造像の時代が違い、施主の思いが違うからだと思う。
 奈良の大仏さんは、当時はまぁ仏教の基本的な考えの造像で多くの衆生を救いということからかな?鎌倉の大仏さんは、鎌倉時代の造像、寺伝によれば作者はわからないそうだが、多分に当時の仏教の流行の阿弥陀信仰の流れからではないかって思う。わた日はが買う者ではないから、いい加減なことを書いているだろうけど、ご容赦を。

 この阿弥陀さんは、南南西を向いてお座りになっている。阿弥陀如来というのは西にある浄土の如来さんで、室町、安土桃山、江戸時期のお寺では、特に浄土宗や浄土真宗の寺では多くが西から東向いてお座りになっているか、前に描いた2宗派は立ち姿の来迎像が多いと思う。
 鎌倉時代となると、まだ浄土教のお寺というのはそんなに多くはなかっただろうから、一般の寺院のような南向きなのかもしれない。とはいえ、多くの仏像の坐像は南向きかな?

 昨年久々、そう50年ぶりに訪れた。久々なのだ。東京に住んでいる頃は、4度行っている。浪人の時、大学のとき3度。つまりは、今の名古屋から京都、奈良に行くのと同じ感覚で、東京のことイコール鎌倉となってしまうから、行く回数も多く、記憶に残ることも多くなる。
 大学までに訪れた時には、まだ空気もそんなに汚れていなかったから、まだ綺麗なお身体をされていたと思う。しかし、昨年訪れた時は、酸性雨にやられて、見るも無残なお姿だった。できれば、屋根があってその下ならばこんなにはならないだろうなぁ、と正直かわいそうに思えたものです。
 でも外にあるから、鎌倉の大仏さんなのかもなぁ。。。なんていう気持ちもある。

 与謝野晶子が「かまくらやみほとけなれど釈迦牟尼は美男におわす夏木立かな」という歌を残しているが、何を勘違いしたのでしょうねえ。大仏さん=釈迦牟尼と思い込んでいたのだろうか?まぁ、それは置いといても、いい顔されてるんです。奈良の大仏さんは硬いお顔なんですが、こちらは憂いを含んで衆生を見守っているって感じです。

見守られている、私です。

真は、昨年私が撮ったものです。


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