2016年12月10日

仏さんに惚れ込んで。。。36 栃木県真岡市 専修寺 親鸞像

 タイトルを見て「仏像でない」と言われそうです。確かに仏の像ではありませんし、無着、世親、鑑真のような有名な像でもありません。しかし、人物そのものは多くの人に知られ、日本人ならまず知っておいでのことと思います。

 まずは、寺の名前。栃木県の現在は真岡市に合併されている高田にある浄土真宗高田派の寺院です。私はここを2度訪れています。いずれも親鸞研究のためですが、最初は何も訳がわからない状態でナビのない車で1日かかりで名古屋から強行のドライブだった。そのときは寺の境内に足を入れただけで、何も見ずに益子に行ってしまっている。
 2度目は、一人でこれも1日で名古屋からのドライブだったが、到着が夕方で寺は閉門ということで真岡駅近くで宿泊し、翌日の朝のお勤めの時間に来るようにという当時のご住職の指示に従って出かけた。そして、朝のお勤めの際に、普段は見ることができないが、お勤めのときと特別拝観の時にだけ見ることができる親鸞像を、正信偈や三部経の読経の中、私はそれらを耳にしながら親鸞像をじっと見つめていた。
 正直暗いお堂だし、大体が黒くなっている像はどんな姿だったのかわかってはいない。ただ、なんとなく今まで見てきた親鸞像とはちょっと違ったかなぁ。何がどうと言われると困る。何せ細かいことは何もわかっていないのだから。ひょっとしたら三部経の読経の中で初めて見たのだから、違って見えたのかもしれない。京都の両本願寺にも他の本山にも御影はあるが、あまり近くでは見えないこともあるけど・・・・それでも何と無くイメージが少し違ったような印象だ。

 実は、親鸞像を間近で見ることができるところがある。上越市居多ケ浜にある親鸞記念堂の見真堂にある親鸞像だ。似てはいるがなんとなく違う。こちらはかなり新しい製作時期だと思うが、専修寺の方は江戸時代の寛永の時の作だそうだ。(現在専修寺の像は、栃木県の重要文化財に指定されている)
 親鸞像はあちこちにたくさんあるようだが、そのモデルは一体どこに?親鸞の生存中に親鸞像が作られたとは聞いていない。ただ、親鸞をモデルにした画像がいくつか残されている。特に有名なものに「安城の護衛」というのがある。安城の護衛は親鸞がかなり歳をとっている像だが、その画像から年齢を若くした状態を想像して作ったのだろうか?
 まぁ、仏像というのは、祈願した人の想いを込めて、仏師が彫りあげるが、親鸞像は最初に製作した時の施主が誰だったか?それがわかると面白い研究でもできるかな?

 とはいうものの、少々気になることもある。
 この専修寺は”高田派”であるが、高田派の創建は真仏が中心なのだ。一方で東西本願寺は親鸞の血筋を引き、新蘭の墓を寺にして本願寺としたのだが、これに高田派猛烈に反対したという、いわば反本願寺的な存在だった。
 本願寺は、そもそも前に書いたように親鸞の墓守だったのだが、蓮如がいろいろ力を蓄えてとんでもない宗教集団にした。その影響で他の真宗教団も本願寺流のものが多く取り入れられているらしい。(その際たるものが「正信偈」の唱和と聞いている)ということで、本願寺のどこかの時点で親鸞像を製作して、それがあちこちに類似のものを作るようになったのか?と思ったりもする。だから似ているのではとも。

 現在において、親鸞像のみではなく、法然、日蓮、とうとう、鎌倉仏教の教祖たちの層があちこちにある。どこかの時代の流行だったのかもしれないなぁ。。。

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