2018年05月24日

仏さんに惚れ込んで 特別編・浄土寺阿弥陀三尊 2


 前回は、浄土寺阿弥陀三尊の中尊・阿弥陀如来を拝観しての思い、印象を書いた。実際の思いはそんな短く表現できるものではない。子供のころから”南無阿弥陀仏”の中で育った身として、いくら途中30年以上もその世界から離れていたとはいえ、心の中の思いは消えることはなかったのだろう。まぁ生身の人間の例えで言えば「焼けぼっくいに火がついた」といったところかもしれない。
 そんな大好きな阿弥陀如来のでっかい立ち姿を見て感激していても、やはり両脇の菩薩さんもものすごく気になるんだなぁ。今まさに(どこかの国の総理がよく使う言葉)私は十一面観音を彫りつつあるから、余計に観音様の立ち姿はしっかりと目に焼き付けておきたい気持ちがある。
 写真でも撮らせてもらえるなら、目に焼き付けたいと思っているところをアップで撮っておきたいのだが、この寺は”浄土堂”堂内は撮影禁止なのだ。なので目に焼き付けるしか術はない。
 私が拝観終えて出るのと入れ違いに数人のグループが入堂されたんですが、多分にどこかの大学の研究室のメンバーかと思われるんだけど、その中のリーダー格の人が、受付で「阿弥陀三尊以外の撮影もだめか?」と聞いていたが、「堂内撮影禁止」とあれば当然許可されないだろう。まぁ聞くのはダメ元だったのだろうが。。。。。

 三尊に向かって左が右脇侍の観音菩薩で、右が左脇侍の勢至菩薩。この右左未だに混乱する、というもの寺によって違うことがあるから。でもこの浄土寺は正当な並びということのようだ。
 
 どちらもなんて表現したらいいのかな?仏さんの部類のものを表現するのにちょいと抵抗を感じるときもあるけど、まぁここはお許しを頂いて。
 両菩薩さんも正直色っぽい印象だ。だいたい観音さんは真っすぐ立っているというよりも、こちを少しひねっている。踊るところまではいっていないが、なんともまぁ色っぽい。この腰のひねりの最たる仏像が秋篠寺の伎芸天なのだが、それとも印象は違う、どこがと問われると困るが。。。。
 
 この2躯はモデルが女性ではないかと思う。手の指など女性の柔らかく、指先など中尊の丸い太いのとはとは違って先細りのしなやかな表現となっている。
 
上記の印象は、あくまでも記憶の中でのもので、でっかい写真を見ると阿弥陀如来も結構指先が細いなぁ。坐像の阿弥陀如来など、上げた右手の先が太いという印象の先入観でこんな間違った印象をもたせたのかな??

 実は、ここまで近くで大きな仏像の手先の表現をまともに、じっくりと見たことがなかったので、新しいもの、素晴らしいものを見たということ感激したのだ。

 向かって左の観音菩薩、よく単体の観音菩薩があるが、あれは観音信仰でのもので、本来は阿弥陀如来についているものだが、単体の観音さんは阿弥陀さんの化身として代役を詰めていると聞いている。しかし、ここはメインの阿弥陀如来がいるわけで、あくまでもお付き=脇侍なのだ。
 向かって右の勢至菩薩は、どちらかというと単体で経つことはあまり見ていない。殆どが阿弥陀三尊の中に見ている。この勢至菩薩は浄土宗や浄土真宗を知識の中では”法然上人は勢至菩薩の生まれ変わり”などと言きいてきている。まぁ知恵の菩薩さんなのだろうと。。。

 この2躯を横から眺めて思ったこと。実はちょっと、密やかに笑ったのだが、おへその周りがとんでもなく膨らんでいるのだ、メタボ検診で腹囲を測定する場所がものすごく大きい。中尊=阿弥陀さんのお腹ポッコリなんてものではなくて、かなり出ている。ひょっとしたらモデルの女性がそれなりに出ていたのかなぁなんて思ったものだ。我が身の行く末のお腹を見た感じでもある。

 横に回っての印象は、2躯ともに腕の付け根から肘までが結構太いということ。今自分で彫っている仏像=十一面観音もそうするかって思ったのだが、やはりモデルがそういう体型をされてたのかなって思ったものだ。

 顔の表情は、半分笑みを浮かべたような印象だった。美人の女性が軽く微笑んでいるのを思い浮かべたらいいのかも。時代が違うし、作者も違うので伎芸天と比較するのは無理だが、この観音2躯は一種独特の表情に思えた。快慶の渾身の作と聞いているが。。。

 いずれにしても、素晴らしい仏様たちだと思う。本当に来てよかったと思ったものだ。浄土堂を出るときに、受付においでになった女性に「素晴らしいものを見せていただきました」といったものだ。
 こういう素晴らしいものを見たときは、自然と合掌する。


 あぁ、書き忘れていたことが。目のことだが、この時代(鎌倉期)には結構玉眼が使われているが、この浄土寺の作には玉眼は使われていなかった。
 私個人の好みとしては玉眼はいまいち好きになれないんだなぁ。まぁ多分にリアルすぎるからかもしれないし、なんだかじっと見られているようで。。。ということで玉眼でなく良かったと思っている。

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