2007年11月05日

京都を歩く 銀閣寺道から哲学の道

 バスは、百万遍の交差点を東に今出川通りを進む。右手は京都大学、左手の奥に『百万遍=知恩寺』がある。
 知恩寺は、私の母校のゆかりの寺、恩師がここの管主を勤められたこともあり、お亡くなりなられた数年後に始めて訪れたが、観光寺ではない静かな佇まいだった。宗門のシンボルであるイチョウの木があったと記憶する。

 右手京大の東には、三高の寮歌(古いですなぁ、こんな話)に歌われる吉田山がある。吉田山の知覚では今出川通りはSカーブし、上り坂になる。この辺りは、京都で行われるいくつかの駅伝(マラソン)の映像に必ず登場するところだ。

 今出川通りと白川通りの交差点が、銀閣寺道。今出川をそのまままっすぐ白川通りを突っ切ると左に疎水があり、その先直進すると銀閣寺に至る。さらにその後ろに大文字山に至るのだ。
 この疎水に沿って東に歩いていく。車が通る道は、この疎水の土手よりも低いところにある。疎水はもともとの自然の川ではないから、むかし室町の頃に東寺の人たちが銀閣寺に行くときはどんな道を通っていたのだろうと思うのだが、なんとも想像しにくいものだ。
 途中、疎水の上を南に流れていく川がある。これが白川だ。こうした文を書かない限り、意識するものではないのだが、今は目にしたものを書くということで、運河(疎水)の上を流れる川(白川)として書いている。

 私が歩いているのは、疎水の上流に向かって右手の土手だ、その土手の歩道は、交番の前を通過して、その先建物(消防の分団とある)につき当たって終わる。そして車の通る道に下りることになる。
 ここまで来ると、観光客が多くなる。修学旅行の中学生か高校生なのだろう、アイスクリームなどを食べたりしている。他にも観光客はいるが、紅葉シーズンでもないので、そんなには多くない。

 疎水に沿って右に折れ、銀閣に向かう道から外れる。少し行ったところに市営駐車場に下りる階段ある。階段で修学旅行の団体とすれ違う、私が修学旅行で京都に来たときを思い出そうとしたが、もう50年以上も昔のこと、どこをどう歩いたかの記憶はなく、ただ銀閣寺の庭を見たという記憶だけがよみがえった。
 この階段を下り駐車場に来たのは、本当は『おめん」でうどんを食べるつもりだったのが、今日は取りやめたので店の構えだけでも写真に収めようと店に向かったからだ。シーズンオフでもあり、時間が時間で、店はひっそりとしていた。

 「おめん」本店の店の横の道をまた疎水に向かって上がった。そして疎水に沿って南に向かって歩いていく。ここから南は、修学旅行の生徒たちとすれ違うことはまずない。すれ違うのは2人3人のグループや外国人の数人の観光客だ。
 法然院に上がる橋で写真を撮った。紅葉の季節なら、ここでこの橋を渡り上がっていくのだが、今は行ってもただ静かな境内を見るだけということがわかっているので、このまま疎水に沿って歩いていく。
 観光客目当ての店がいくつか開いていない。閉鎖したところもあるようだ。ただ、紅葉シーズンになると回転するところもあるのかもしれないが。

 疎水に沿った風景は、本当にちらほら赤い葉があるが、まだまだ本格的に紅葉になるのは一月も先の話だ。京都の紅葉は、おおむね「勤労感謝の日」前後以降といわれている。しかし、昨年は色は悪かったと聞くが、今年はどうなのだろう。

 むかし、TVのサスペンスドラマで岡江久美子が女主人役をした設定と聞く店がある橋に来た。この橋の袂に外国人の団体さんがいる。何をしているのかその店の周りでたたずんでいる。紅葉の季節なら、よかったのにと正直気の毒に思うのだが。

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