化石の戯言

　父親が、何の縁か知らないけれど、預金残高ゼロで島も出し入れ回数ゼロという通帳が何冊も作っている。多分に、過去の銀行マンたちが成績を上げるために口座の開設を無差別にしていた時期があるので、そんなときに作ったものなのだろう。
　中には、数千円なんていう通帳もあるのだが、それらを解約しようとするとどうしても遺産相続手続きという面倒な書類をいっぱい作らねばならない。戸籍謄本やら、住民票などの必要書類にかかる費用が上回る場合は泣きになるが、まぁ大体はコピーですむので何とか回収できるものはしている。

　今日某所での手続き。そこで『現住所』を証明する書類がないといわれてしまった。ん？？そろえる書類としてリストされているものの中には『住民票』が入っていない。だからこの際住民票は持ち合わせていない。戸籍謄本やら除籍謄本を持ってくるようにはあるのだが。

　ん？？戸籍謄本には、現住所記載されてない。これにはじめて気づかされた。当然といえば当然。戸籍は戸籍であって、すんでみるところを証明するものではない。すんでいるところを証明するのは、まあ『住民票』ということになるのだろう。こんな基本的な話、６５年も生きてき始めて気づくとは。

　しかし、それなら金融機関で『住所を示すものをもってこい』と書かねばイカンだろう。しかし、今までの金融機関、どこもそんなこと言わなかったぞぉ。
　しかし、最終的には、ないのが当たり前でということで一件落着です。