化石の戯言

　本当に久しぶりに、TV単発、二夜連続のドラマでのいいものを見せてもらった。

　実在の人物と実在の事件を綴って昭和の事件史を表現していた。
　現実に扱われたものが、初日の「帝銀事件」は私の子供の頃のものなので事件そのものの報道の記憶は全くないが、その後にいろんな書物で知っている知識がそのまま映像化されているのでついつい引き込まれてしまった。
　２日目は昭和３８年東京で起きた『吉展ちゃん誘拐殺人事件』が主体だったが、これは私が東京の大学(『東京』と『大学』の間に『の』があることに注意です)に入学した年でもあり、また後日同級生に文字は違うけれど同じ読みの友人ができたのでかなり強い記憶として残っている。
　この事件のドラマは、過去にもありそのときは犯人役を泉谷しげるが演じていた。そのときの記憶も今回幾分か戻ってきたが、やはりかなり遠い記憶になってしまっている。
　(泉谷しげるの俳優デビューで、かなりいい演技をしていたという記憶はしっかりとある)

　今回の犯人役は、萩原聖人でそれなりの演技なのだが、足の引きづり方が何となく違和感を覚えた。

　そのほかには、昭和４３年の３億円事件も登場したが、これなどは大阪にいて職場でニュースを聞いてみんなで驚いていたものである。何せ東芝の社員のボーナスが盗まれたのだから。松下系としては・・・・


　今回のドラマのキャストを見て思ったこと。
　ここ最近にないすばらしい、映画のキャストかと思うほどの俳優をそろえ、脚本もいい加減なものでもないし、カメラワークも本当にしっかりしていた。最近が不況のせいという逃げ口上で予算を削ったドラマばかりだが、こういったしっかりとしたドラマを作ってくれれば、視聴率は戻ってくるのではないだろうか？
　馬鹿キャラ、ギャラの安い芸人を集めたどうしようもない番組なんか捨てて、それらに使うギャラを何本か集めてこうしたしっかりとしたドラマを作ってくれないかと思う。


　それにしてもいいものを見た。