化石の戯言

　庭でなにやらチュンチュクチュンチュクうるさい。何事かと思って外に出たら、テラスの屋根で子スズメが雨樋に落ち込んでもがいている。それを隣家の大屋根の上で見ている親鳥が「がんばれ」とでも言うようにチュンチュクいっている。

　何とか屋根に這い上がった子スズメは、飛行を試みたが上には上がれず落ちていく方向。何とかフェンスの金網にしがみつきはしたものの、きょろきょろするばかり。（それが下の写真）





　それからまた飛行を試みたがやはり下にしか飛べない。隣家の庭に着地。ここで親をしつこく呼んでいる。しかし大屋根にいた親鳥はいなくなった。親鳥の声が聞こえなくなったことが余計に大きな声で鳴く。
　しばらくして、声の位置が動いた。我が家の庭に移動してきている。それも一番日当たりの悪い、風通しの悪い隅っこに。外に出してやろうかとっも思ったけど、親鳥が戻ってきた。
　自然に任せるのが一番なので、私は家から見ることに。

　親鳥は少しずつ下に降りてきたのか、小スズメの呼ぶ声が小さくなってきた。


**あれから１時間。まだ飛び立てずに庭にいる。見に行くと、監視している親鳥が私を威嚇する。
　このままでは飛べなくて、食べ物もないから死んでしまうよ。夕方までには何とかしろよ。ヤモリ君の餌食にもなりかねないよ。

　猫にやられなければいいがと思っている。
　力蓄えて、早く飛び立っていけよ。


**午後4時頃になって　親子共々鳴き声が聞こえなくなった。ただたまに親の威嚇するような声が聞こえる。
　どうも、我が家のモクレンに巣を作っていた親子のようで、今日がその巣立ちの日だったのかもしれない。その巣立ちに失敗した可能性がないとはいえない。
　この親子、他には子供がいないのだろうか？2羽の鳥から1羽の子供。鳥の世界も少子化か？

　しかし、どこに行ったのか？鳴き声は最後の方は元気がなかったので、飲まず食わずで倒れていなければいいのだが。庭の中では見つからない。