化石の戯言

　カラスといても　ごみをあさるカラスではなくて、黒いリクルートスーツを着た若者のこと。

　今日は、移動であおなみ線に乗れたので名駅の改札に。ところが切符売り場にカラスの行列。それを押し分けて、ホームに上がったら、ここにもいっぱいいる、そして電車の中が黒くなるほどのカラス。
　個性なんてものあったものではない。どいつもこいつも黒い服着て、お葬式ではあるまいに。

　何があるのかわからなかったがEXPOなんて資料を持っているのがいるところを見ると、どうも就活のイベントがあるようだ。名古屋の端っこでのイベントで、ここに行こうとすると、あおなみ線に乗るのが手っ取り早いからだが、まぁあおなみ線の経営改善にはいいことだ。

　それにしても、この黒い服は何とかならないのか。どいつもこいつも黒くて、みんな同じである。企業ブースに行っても目立たないだろうが。就活に必要なのは、その採用側の企業に”必要な人間”として印象に残すことなのだが、これだけ没個性では印象に残ることは少ないだろう。
　就職を目指す業態によるが、こうした没個性の場合には、それだけで面接の門前払いを食らうところもあるのだ。私が昔担当した学生は、リクルートスーツで面接に行ったら、追い返されたという実話もある。

　日ごろのGパンのダサい格好ではいくらなんでも無理なのはわかるが、周りと同じ黒い服を着ていくことが、就職を目指す会社に敬意を払っているとはいえないのではないか。
　大体が、こんなのは衣料関係の業界の陰謀に過ぎないのだが、それに乗らないとハミダシものという印象などという強迫観念を植え付けられいるからで、それだけでも、私が採用側ならその学生には疑問符をつけるところだ。（大学の就職支援する部署も、こういうのを少しは考えてアドバイスしてやれよ）

　リクルートスーツでは、クロもしくは濃いグレーになってしまっているが、もっと明るい色のものを着るのもいいと思う。それが華美ではなく、いやみにならないものなら、好感を受けると思うのだが。
　衣料業界も少しはセンスのいいものを提案してみてはどうだろう？

　それにしても、冷え込んだ経済状態の中での就職活動。学生諸君、がんばってください。大きい会社が安心ではないのよ。就職は人生を変えるきっかけだが、人生はすべからく賭け事である。この先大きく伸びそうという会社を見つけて、それに人生をかけるのも一つの生き方であると、私は思うのだけど。