2016年11月02日

仏さんに惚れ込んで。。。24 飛騨千光寺 両面宿儺

 飛騨千光寺については、9月末に上高地旅行の途中に立ち寄ったことをこのブログに記事として書いている。千光寺か上高地かどっちが主目的かわからない旅行だったが、どちらもそれぞれの目的を達していい気持ちで帰ってきた。
 千光寺は、円空さんを知る人なら知らない人はいないだろうと思われる。なにかにつけ、円空がらみの話になるとテレビの番組でもよく出てくる寺である。この寺には、60数体の円空仏が祀られている。円空仏と総称しているが、これは円空さんが彫ったものを全てそう呼んでいるらしいが、全てが仏像というわけではない。人物あり、狛犬あり、その他仏と関係ないと言われそうなものも多くある。その中でひときわ目立つ仏ではないものの代表作といえる「両面宿儺」がそれだ。
 両面宿儺の詳しい話はWikipediaに任せるとして、大まかな話は「怪物と言われているが、本当は仁徳天皇の時代に中央政府に反発、抵抗し、地元を守った地元の守り神」ということなのだ。
 まさに、権力などに立ち向かうアウトロー、ドンキホーテ、まるで私の生き様のう〜〜〜んとでっかい人なのだ。私は、その生き様に惹かれたともいえる。そして、円空さんはその宿儺のイメージを左の写真のように具体化してくれていたのだ。
 なんとも奇妙は彫り物である。二面四臂、2年のうち正面を向いた顔は微笑みを浮かべ、横を向いた顔は怒り顔である。おそらく正面の笑みは民衆に、怒りは中央政府に向けての表情なのだろう。そして、そ彫りの姿は、いわゆる円空仏の鉈彫り、荒削りの印象だが、確かに下半分の宿儺が座る岩の部分は確かに荒く深いように見るが、体の部分、特に顔の表情はものすごく細やかにあ掘り上げられている。
 写真と初めて見たときには、素晴らしいものを見たときの衝撃があったことは確かだ。そして、いつか彫って見たいという気持ちを持っていた。それが、今年になって上高地への旅行の話が持ち上がり、ではその途中だから千光寺にも是非立ち寄ろうということになって、実物と対面することになった。そして、帰ったらこれの模刻をするのだと思ったものだ。たまたま、5年くらい前に買い込んだ材料の中に、実物の高さが半分くらいのものがある、ケヤキなので少々彫りづらいが頑張ろうということだ。
 そして彫り始めてもうじき一月になるが、やはり天才の彫りをそのまま縮小して彫るというのは、とにかく難しい。目に焼き付けてはきたものの、詳細はなかなか思い出せない。正面は写真でなんとかわかるものの、両横の彫りは記憶に頼るだけ、あっていればいいが、なかなかあっているとは言えないだろうなぁ。。。。
 先日、岐阜県立博物館の「円空展」で実物大のレプリカを見てきたので多少記憶を戻せたが、それでも両横は難しい。まだ彫ることができていない。

  現状の私の作品の様子が左の写真です。本物の力強さは望むべくもないですねぇ。。。なんとか少しでも天才の作品に近づけるものが彫れたと願うばかりです。

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