2009年05月10日

五木寛之・親鸞 妻をめとって

 長いこと五木親鸞のことを書かなかった。どうしたものかとの思いとどう展開するのかを見ていたのだが。
 この間に親鸞は、恵信と再開して、結ばれてしまった。そこには法然も九条兼実も介在していない。つまり、多くいわれていることと違った展開をしていることになる。そして、前にも書いたが、九条兼実ゆかりの「玉日」の登場はとうとうない。それに、赤山明神の不思議な女の登場もない。
 玉日に何することは、どうしても「正明伝」という書物が前提となることになるらしいので、五木氏はそれを完全に無視する形になっている。

 小説だから、それでいいのだろう。しかし、一般の人は「親鸞」という実在の人物について書かれていることをどう受け止めるだろうか?

 ストーリーでは、恵信=紫野の妹・鹿野が行方不明のまま放置されている。過去には不思議な女を殺しているし、鹿野を行方不明に放置していることが、この先の何かの伏線なのだろうか?わからない・・・・

 目下のところ、親鸞は法然門下の先輩たちから、過去のスパイ行動と現在もその延長かという疑いをかけられている。途中で、「一念義」「多念義」の論争も出てきたが、これも法然が絡まないところでの話になっている。そして、結論を出させていない。ただ、疑問を呈してそのままという印象がする。


 親鸞の妻、というのは、私は2人説を描いているので、当然ストーリーは変わる。これは、「正明伝」の記述と実際に歩いてみて思ったことからだ。
 僧たるものが、妻をめとること自体まだ公にすることができない時代。単純に結ばれているにしても、師の法然の言葉を自ら先んじることを彼はしたのだろうか?私は、やはり兼実や法然から迫られた上での公という気がしている。師の教え、許可を請うべきだったのではないかと思うから。それまでは、公然という形は取らせたくないなぁ。。。
 
 今の流れだと、「女犯偈」の意味が薄くなってしまうような気もしている。


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哲学者・梅原猛さんも最近になって「正明伝」に注目しているらしい。彼は、親鸞よりも法然のほうが詳しいみたいだけど。

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