2009年08月02日

官僚たちの夏 第5回

 国産コンピュータの誕生以前の話として。。。

 コンピュータの国産化には、かなり無理があったと思わざるを得ないと思う。今でも私は、ハードウェアでは何とか超えるものを持つとしても、ソフトウェアの面では太刀打ちできないと思っている。これは卑下して言うのではなく、日本人の考え方の中に、ソフトウェアの考え方の基本が現時点のコンピュータの性格と外れていると思っているからだ。
 いずれコンピュータの世界は大きく変換を遂げると思うが、現在の0と1で構成されるコンピュータの基本の論理は、日本人の考えになじんでいないように思えてならないのだ。前に書いた大きな変換があれば、論理の基本も変わろう、そうなれば日本人の得意とするものが発揮できるようになるかとは思うが。

 だいたいが、コンピュータを『電子計算機』と訳すような連中が仕事を牛耳っていたのでは、なにをかイワンである。現在でも学術用語や、コンピュータ用語の日本語化では本当に馬鹿にするなと言いたい、私に言わせれば誤訳が多い。日本語を知らない奴が本やするととんでもない訳語を一般に押しつけることになる。多くが学者と言われるもの、コンサルティングに身を置くものの仕業である。
 確かに、01の組み合わせをいろいろいじるので計算と言うことなのだろうなぁ。しかし、この『電子計算機』の「計算」をいわゆる算術の加減乗除の計算と思い込んでいるからこうなったのだろう。実際に行われているのは論理演算なのだけどなぁ。。。。(これも計算のうちか?)

 本題に戻って。
 ストーリーで「IDN」とかかれているものは、いわずとしれたIBMの事だろうが。今回のストーリーの中に出たロイヤリティーが要は日本の企業がIBMに支払うソフト、特許などの使用量になるのだが、実はこの契約がいろいろ面倒なことになって、逆にIBMが先々足かせをはめられる部分もあるのだが。
 どういう事かと言えば、日本のコンピューターメーカーはIBMの客先に当り、そのメーカーが商談集のところにはIBMは手が出せないという問題が生じたようである。(実はチョットこれにぶつかったことがあって教えられた)
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 堺雅人が通訳なしで交渉する場面。あれはよく理解できる。言葉が通じなくても、その雰囲気と気概で相手を説得できることは経験済みの私だ。気持ちを通じさせるのは、言葉だけではない、と言うことだろう。
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 問題は、コンピュータの開発言語ではないだろうか?FORTLAN、COBOL、ALGOLなどなど。そしてその基本のアセンブラ。これらに変わるものを日本で開発が出来なかったのだ。かなり後になって、東大の坂村教授のTRONが日本のオリジナルと言うことのようだが、私にはAppl社のOS(その基本から行けばXEROXのOS)の流れの中で生まれたもので、考えの基本からが日本のオリジナルとはいえないだろう。

 この後ドラマは、コンピュータに関してどういった筋書きになるかは分からないが、現実には多くの電機メーカーをグループ分けして開発に取り組ませる事になる。日立、富士通、NECなどがその主な主幹企業だが、何年か経ってグループから撤退し、コンピュータ開発から撤退した企業も多くある。
 前に書いた3社は残った大手であるが・・・・

 実は、私は大学四年の時にその3社の中の一つに行かないかと声をかけられたが、大学が理科系でもないのに何故声をかけられたかは、まぁあるコネのおかげなのだが。当時は私の頭にコンピュータなんて毛頭もなかった、完全に無知だった。いっていれば、今頃全く違った人生を歩んでいただろうが、関わる基本的な知識を持たないでいっていたとしても、どこかで潰されていただろうと思う。
 私は、コンピュータに興味を持ったのは、大学卒業して2年目のこと、会社にIBM System360が導入されると聞いたことからだ。そのとき思ったことは、「いずれ電算室に会社が牛耳られる」だった。それを阻止するために、このときから猛烈に独学で。しかし悲しいかな、基本的な考え方がなく、しかもコンピュータそのものをいじることが出来なかったことが致命的な問題だった。

 ハードウェアがさわれない悲しさ。行く道はソフトウェアのものの考え方でしかなかった。それが、今になって大きく役に立ってはいるが。


 とりとめもなく思い出を書いたが、ドラマに戻すと。
 今回通訳を務めたのは、麻生祐未。彼女はいろんな役をこなす人だなぁ。それにしても英語をうまくこなしているのは本物??吹石一恵の通訳も見たかったのだが。。
 その直前に、筋がばらばらの「天地人」を見ているので、この『官僚たちの夏』のしっかりとした筋書きが余計に引き立つ。やはりドラマは、演出の基礎となる筋書きと、それをいかに映像化するかというディレクターの感覚のなせるものだろう。 NHK反省してくれ。

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