2012年04月29日

平清盛 第17回  平氏の棟梁

 清盛(松山ケンイチ)が平氏の棟梁に収まった。父・忠盛(中井貴一)の後を継いだわけだが、その跡目披露で『父の意志を継ぐ』と宣告する。
 ここにいう父の医師=忠盛の意志とは、「武士の世の中を作る」ということなのだ。つまりは武士が世の中を牛耳っていくという方針なのだ。言いかえれば軍隊が国を治めるようなもの、軍事政権の誕生を目指したわけだ。

 この時代の軍は、外国との戦のための軍ではなく、本来の貴族や寺院の財産たる荘園を守るということだったのだろう。その守り役の武士は、身分は低いものだったのだが、この時代になって武士をうまく抱きこむために朝廷、公家、寺院が武士をそれなりの身分に上げていかざるを得なかったのだろう。

 今の日本では、多分に軍事政権が成立するのはかなり難しいが、それでも自衛隊を軍として認め、海外派兵まで視野に入れようとしている政治家が結構いる。先般、黒に限りなく近い灰色なれども証拠不十分で無罪の判決を得た政治家も、軍の海外派兵などを容認するために憲法を改定する意向をもっていると聞く。この類の政治家は、与野党問わずにたくさんいるのだ。
 表向きは政治家なので武力をもってということはないだろが、自分の手を汚さずに目的を達しようとしているように私には見える。
 つまりは、今このドラマの平安末期の乱世の時代と変わることはないと思えてしょうがない。

 このドラマの清盛は、私から見たらかなりいじけている。世の中いや身内からからいらない存在のように扱われているが、義理の父・忠盛の後継指示のもとで棟梁になった。どこかの件の政治家も、身内の党の中に排除論がくすぶってはいるものの、なぜか棟梁待望論が渦巻いている。私には、かなりいじけた政治方針をもっているように思えてしょうがないのだが・・・・

 いずれにしても、力というものは恐ろしいものだ。この力が権力の最上部になった時には、世の中かなり荒れると、日本の歴史は語ってはいないだろうか?

 ドラマは、相変わらずけむったい画面の連続で、まったくもってきれいではない。ようは汚い政治の世界を表しているのかもしれないが。
 だんだん登場人物に若手が多くなってくる。朝廷も公家も武士も2代目、3代目が登場して来る。(その役にやまた俳優の2代目が出てくるのはあまり面白くないが)

 さて、このドラマ。うらの語りをしているのが源頼朝(岡田将生)なのだが、なぜ平家の話をしているのを源氏の将来の棟梁が語っているのか? なんとなく違和感を感じている。
 小説やドラマというのは、はたからいろんなものを見てい書いている。第3者ならまだしも神の目でかいているように思う。このドラマで、まだ生まれていない頼朝が語るとは。。。。
 あくまでもドラマの話とは分かっていても、制作者の意図はなんだろと。。

***
 神の目で見たドラマは、源氏の身内が分裂していく様を描き始めた。義朝(玉木宏)が頭領の座に就くことができなかったのだ。それは父・為義が強くなりすぎた義朝を敬遠したのだ。これに対して義朝は『わが道を行くだけ』と啖呵を切った。
 これが、いずれ先の保元、平治の乱へと平氏も源氏も分裂して争う方向に進んでいく。

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