2010年07月31日

室生寺日帰りドライブ その6

 いやなものを見てしまったあとで、この先にも同じことがある可能性もあり、心細く帰り道に。できるだけ早く帰ろうとするものの、やはり階段が… この日は高所恐怖症での怖さは大きくは出なかったものの階段の石が不ぞろいで足を取られやすい。それに膝が笑っているので、できるだけ負担をかけまいと杖を有効に使うことになった。結構便利なものですね。
 
 来た道を帰っていく、涼しいはずと思っているけど、登りで結構汗をかいているので、持ってきたペットボトルの1本が空に近くなっている。体調がおかしいかなぁ?

 五重塔を左に階段を下りる。そして左に折れて金堂に入る。
 奥の院に向かう前は時間も早く、そんなに人がいたわけではないけど、もうここまで来ると10時を大きく回っているから、かなりな人が入っている。これなら先に入っていたほうがよかったのかも。
 ここに入るには境内の拝観料と別なものが必要です。(なんででしょうね?)
 中に入って中央正面にむかう。一番大きなご本尊、釈迦如来立像の前に立つ。大変恐縮ですが、何の感慨も出てこないのです。45年前には見ていないような。。。。。しばらくすると女性が読経を始められた。お勤めの時間のようだ。その声の中で仏像を見る。ほとんどの寺が読経は男性であるが、ここは何せ女人高野である、つまりは女性のお寺だから読経も女性が当たり8前。何か新鮮なもの感じはするが、不思議な気持ちです。
 目を右に向けると大日如来が隅っこにおいでになる。ん???大日如来って多くの場合は真ん中においでになることと思っていたけどねぇ。ここは違うみたいだ。

 位置をはっきりと覚えていないけど、如意輪観音があった。さほど大きいものではない、厨子の中だから。如意輪観音は、どこのものもかなり色っぽい。人間の願いことをかなえてくださるということらしいのだが、ここの観音さんは特に色っぽい。大体インド系の顔立ちの多いこの寺の像のお顔。その中でも意図もそういった感じであるからか余計に。
 多分インドの何かの神様が如意輪観音になったと思うのだけど、ひょっとしたら「カーマスートラ」に代表される方向の願い事をかなえてくれる神様なのかと思っている。

 体を左に移動。
 うわ。すごい美人の仏様だ。前にも紹介した十一面観音だ。かなりふくよかな顔立ち、できたころはどれだけ輝いていたことだろうか。見てみたかった。タイムマシンがあるのなら、平安時代にさかのぼり、ぜひとも見せていただきたいものだ。
 
 この室生寺は、女人高野というだけあって、女性主体にいろいろなものが出来上がっているのだろう。だから仏様も女性を感じさせるのかもしれない。
 これまで私が惚れた仏様は、2体ある。
 最初は、中学校の時に出会った中宮寺の弥勒菩薩(本当は如意輪観音といわれている)だが、この観音様に初めて出会ったときは、正面にすわりこんでじっと見続けたことを今でも覚えている。
 もうひとつが、親鸞研究で出かけた、そう今年の5月末にも行ってきた法界寺の阿弥陀如来だ。こちらは毎年最低1回は見るようになってもう10年にもなる。
 そして、今回この十一面観音が加わることになった。中宮寺の弥勒菩薩も見方によってはやはり尼寺ということからか女性を感じる方もおいでになるが、私は中性に近いイメージだった。しかし、この室生寺の十一面観音は、見た途端に女性感じた。本来はいけないことかと思うけど、見たまま、感じたままを正直に書けばそうなる。
 インド系の女性をちょっとふっくらさせた彫りの深い顔。いつまでもじっとおそばにいたい感じがする。見ていて、安心感を与えられる顔立ちである。安心感というは、法界寺の阿弥陀如来もそうなのだが、安心の種類が違っている。その違いをかけと言われると困るが、とにかく心が安定する顔である。

 今回のこの金堂への参拝は、十二神将を見るためだ。十一面観音に圧倒されてい十二神将がどうでもいいような感じになってしまった。如来、観音の前に勢ぞろいしているのだが、どうもいまいちピンとこない。もともと私は仏像としては十二神将よりも四天王のほうが好みだからかもしれない。
 十二神将というと、干支それぞれが対応されて守り神になっているとか。羊年の私は波夷羅大将が守り神ということになるのだが、この室生寺の波夷羅大将さんは肘を頬に充てておやすみかぁ?そんな印象だよぉ。

 註:十一面観音の写真は私が掲載できません。こちらの室生寺の公式ページでご覧ください。
   

 さて、十一面観音の顔を見て、これをイメージして彫ることを思い立った。こんなこと初めてだよ。今までは円空さんのイメージを彫るつもりしかなかったのに、こんな彫りの深い美顔を彫ろうなんて大それたことを。。。。。。。 このときは、大それたことなんて思いもしなかったけど。

 さて、これで室生寺の拝観は終わりです。また階段=鎧坂を杖をつきながら下りていきます。


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