2007年07月03日

旅の記録 朝のお勤め 専修寺 その1

 2005年5月10日 二宮町高田 専修寺 朝のお勤め

 浄土真宗の寺は、本堂というのではなく正面となる建物には、親鸞聖人の像などがあり「御影堂」という。浄土宗も法然上人のあるところはそのように言っていたかな?いずれにしても、阿弥陀堂がその横になるので、知らない人は阿弥陀様よりも親鸞聖人が上になると思うだろう。

amida阿弥陀堂
阿弥陀堂


 この寺は2回目だが、初めて見る親鸞像。これまで見た京都の東西本願寺、上越・居多ヶ浜の上陸記念にある見真堂の親鸞像。なぜかみんな黒っぽい。ホコリのせいなのか?

 この専修寺の親鸞彫像は、聖人72歳のときの姿の自刻ということになっているとのこと、しかし住職は正直に「まあ、それは真実ではないでしょう、聖人がお亡くなりになってからのものではないかと思います。」とおっしゃる。
 まあ、昔の有名人の自画像やら彫像には「自作」という言葉が多くついているが、ほとんどが眉唾物だ。忙しい人間が悠長に彫り物をするというのはどうかと思うのだが・・・

 住職からこんなお話を聞いて、しばらくすると周りの照明に灯をお入れになった。本堂が結構古くなっている割には、中はキンキラキンである。仏様、浄土教では阿弥陀様がおいでになるところに、親鸞聖人が鎮座されているわけだ。毎度のことながら、これには違和感を覚える。これでは仏教ではなく、親鸞教ではないか。とはいえ、住職には関係のない話。
 
 お勤めが始まった。「正信偈」を奥様もお座りになられての唱和だ。私は、家が真宗大谷派(東本願寺)の檀家でありながら、いわゆる経は読まない。だから、黙って聞いているといった感じで受け取られただろう。それにしても、高田派の「正信偈」ははじめてである。棒読みだ。住職が、お勤めの後で、その点に触れられた。その後の阿弥陀経なども棒読みである。

 これまで、大谷派、本願寺派、仏光寺派の「正信偈」を聞いてきたが、速さは大谷派なみ、ただ、抑揚がないのだ。東本願寺(大谷派)は読みが早い、西本願寺(本願寺派)、仏光寺はゆっくりだった。両本願寺の「正信偈」は節(抑揚、メロディー?)がついているが、この高田派は棒読みなのだ。

 まあ、それにしても仏説阿弥陀経など三部経はわかるにしても「正信偈」には私は抵抗を感じる。もっとも、親鸞教の経典と捉えれば致し方ないと思わざるを得ないかもしれないが。

 お勤めは、本堂のほかにもう一ヶ所別なところで阿弥陀如来の立像のあるところで行われた。檀家さんの女性と男性が参加されての唱和だ。ここで三部経をお読みになるのだ。
 黙って座っていたら、檀家の女性に黒い経本を押し付けられた。唱和しろとのことなのだろう。そういわれても、三部経など聞くだけで漢文のものだの見てもわかりはしない。まあ、お隣さんの見ているところを開いて、住職の読む音を拾って目で追っていく。何とか追いついたが、目にわかる単語は「舎利佛」(しゃりほ)くらいか。まあ、「不可思議」という言葉などもわからぬではないが。

 **経典の中に出てくる「舎利佛(しゃりほ)」「阿難(あなん=アーナンダ)は人の名前で、釈迦の弟子であり、側近である。三部経はそもそも物語で、たとえ話になっている。これは、キリスト教の聖書でも同じで、物語だ。私個人の好みとしては、旧約聖書の話には人生を生きるための教訓として、いいものが多いと思っている。**

 お勤めが終わってから、しばらくの間、住職と歓談。やはり高田派の方だ、東西本願寺には余りいい印象はお持ちではない。当然といえば当然で、元々この高田の地の専修寺には、親鸞の愛弟子の流れを汲んでいた人たちその教えを踏襲してきたが、親鸞の孫の覚信尼以降で親鸞の廟所(墓)を本願寺化するところあたりから争うこととなり、その後の本願寺中興の祖・蓮如の時代に大紛争があったのだろ高田派は衰退してしまった。とはいえ、親鸞自身の経偈から行けば本来「寺は持たない」筈なのだから、今になってはどちらもどっちなのだろうと、私は思っている。
 しかし、現在の本願寺がいろんな面で批判を浴びても致し方ない部分はあるだろう。


 次回は、専修寺 その2 です

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過去の記録
 名古屋から軽井沢 その1
 名古屋から軽井沢 その2
 軽井沢から達磨寺
 達磨寺から高崎・前橋
 前橋から専修寺 R50号線
 栃木県真岡市で宿泊
 栃木県二宮町の朝

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