2007年07月05日

旅の記録 笠間市稲田 西念寺

 2005年5月10日 茨城県笠間市稲田・西念寺

 高田専修寺での朝のお勤めの後、国道50ごんぜんへ出て西念寺に向かった。

 稲田の西念寺は、数年前に来ている。国道沿いに看板があることは十分記憶に残っている。しかし、本当に国道沿いなので、入り口を通過してしまった。戻るのが大変だ。交通量の多い国道の側道でユーターンして戻ってはみたがちょっと冷や汗ものだった。

 前回は、国道沿いにあった駐車場の看板のところに正直に車を置いて境内に入ったが、そのとき車を中まで入れられることがわかったので今回は中まで乗りつけた。山門の手前の参道に車を止めて、境内に入る。高田専修寺からは30分くらいだろうか。


 西念寺山門

 前回の訪問は真夏だったからセミ時雨でかなりうるさい境内だったが、今はそんなうるさいものはなく、国道沿いとはいえ境内は少し奥まっているだけに、本当に静かである。

 境内は、ここも誰もいない。前回もほかに数人の団体の一組おいでになっただけだった。親鸞聖人が「教行信証」を書き表した場所であり、別格本山という格付けなのだが、訪れる人がいくらなんでも少ない。東西の本願寺はいつも人でいっぱいだ。それに引き換え、ほかの本山はどうしてこうも人が少ないのかと、毎度いぶかしく思っている。

 この西念寺は、なぜか長居をしようという気にならない。前回もそうだった。今回も、急いでいるということを別にしても早く出て行きたいと思わせる。ひょっとしたら新しい本堂がそう思わせるのかもしれない。
 山門は、かなりな時代物である。それに引き換え本堂が新しいので、違和感を覚えるからだろうか?それだけではない、何かがあるようにも思う。
 前回は本当にすぐというくらい早く外に出た。そのために中のものをゆっくり見ていない。今回は早くとは言うものの、とりあえず見回した。「聖人真骨を収めてある」と書かれている。この手合いは、あまり得意なものではないが、この際見ておかねばなるまいと、見てこなかった専修寺の真骨を差し置いて見に行くことにする。
 少々山に登らねばならない。階段を上がっていくが、この階段の周りや掃除の不行き届きは正直私は苦手だ。それでも、今回は我慢で上がっていく。途中に「真骨旧蹟」とある。どうも最近移動させられたようだ。多分に親鸞聖人750回忌の縁起を考えてのことだろう。
 
 その場所からもう少し上がると階段は分岐する。案内がないので(気づかなかったのかな?)、どっちへ行くものか迷ったが、お堂が見えたのでそちらの右方向へ向かって階段を上がる。案内があるわけでもないので、何のお堂かと思って近くまで来てやっとわかった。太子堂である。聖人が信奉されていた聖徳太子を祀っている。
 なぜか、これもじっくりと見たいという雰囲気を与えてくれないのだ。あまりにも造りすぎという感が、押し付けを嫌う私に思わせる。
 早々に先ほどの分岐した行き先のほうに足を向ける。太子堂とほぼ同じレベルの高さにあるので、そのまま横移動で歩いていける。 こちらが廟所である。確かに新しい、ほんの少し前に完成したものに違いない。香を焚くところがあるが火がない。当然といえば当然だろう。山の中だから、人気がなければ消しておくのは当然だ。

 真骨のあるところは、扉で中に入ることはできない。しかも階段を登っていかねばならない。上を向いて手を合わせる。どうしてこんなことまでしなければいけないのか。親鸞聖人は喜ばないと思うのだが。弟子を持たないと、教えを説く相手の人々を同朋と呼んだ聖人が、人を見下ろすところに置かれるのは、喜ぶはずはないと思うのだが。どうも、聖人を神格化しなければ気がすまない人が多すぎる。ここでも親鸞教ということが頭をよぎる。

 ひとまず手を合わせて、引き下がることにした。
 今度は下りだ。どうも、気持ちがよくない。本堂の新しい大屋根が気分を害させる。

 本堂の前には、何とかの木、なんとかの井戸、いろいろ縁起物があるが、私は、いつも 「だからふどうなんだ?」 という不見識な思いを持つ。これらのものが本物として引き継がれているのであれば、親鸞聖人の精神構造形成の源として、じっくり見ていくのだが、正直それまで時代を感じさせないものばかりだ。

 ということで、誰一人としていない境内を出て、水戸に足を向ける。

**次回は、水戸市河和田 報佛寺 です。 **


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過去の記録
 2005年5月9日
  名古屋から軽井沢 その1
  名古屋から軽井沢 その2
  軽井沢から達磨寺
  達磨寺から高崎・前橋
  前橋から専修寺 R50号線
  栃木県真岡市で宿泊
 2005年5月10日
  栃木県二宮町の朝
  朝のお勤め 高田・専修寺
  高田・専修寺 その2

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